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2018.5月 会社発展の歴史〔市場創造と人材育成〕No5

今、工場見学でも話をしていることの一つを書きます。
経営者の勉強会である愛知中小企業家同友会に所属をして研鑽を積んでいますが、各県の集合体である全国組織として中小企業家同友会全国協議会があります。その協議会主催で1999年に開催された全国総会の分科会で、「21世紀に発展する中小企業のキーワードは、『市場創造と人材育成』である」と学びました。 それを自社で展開するために考えてみた結果を2つにまとめてみました。

●会社は必ずつぶれる(但し、何もしなければ・・・)
当時これを聞いてびっくりした社員もいました。つぶれる会社に勤めているつもりはない。一生懸命仕事をしているのに。もっともな話です。しかし例えば、QCDを高めようと改善提案制度を行った時期もありましたが、うまくいきませんでした。常に改善や改革を行いながら仕事をしていくことが、なぜ必要で重要かということが理解されないまま改善提案制度を押し付けていました。

そこで、「会社は常に改善や改革を行っていかないと、世の中から取り残されてしまう。井の中の蛙ではいけない、ということに気付いてもらうために毎日同じことの繰り返しで、何もしなければ会社は世間から遅れて取り残されてしまい、つぶれてしまう」と言うように、なぜそうなるのかを理解してもらうために説明をしたのです。

「会社は必ずつぶれる」これは何を意味しているかと言うと、「時代の流れと共に、取り扱い製品が消滅する」と言うことです。会社の創業時は、ミシンの部品を作っていました。しかしすべて台湾に移管されました。本社近くのエルモ社の取引では、技術革新のおかげでビデオカメラが登場したため、8ミリ撮影機の生産がなくなり、当然部品の生産もなくなりました。その後自動車のブレーキ部品を月産約10万個手掛けていましたが、これもVA提案により鉄の加工品から樹脂加工品に変わりました。そこから現在はバルブスプール部品やソレノイド部品を中心に加工を行っていますが、これもまた今後はEV化により大きな変化が出てきます。

何回も部品加工品がなくなって来ましたが、それでもなぜそれらを乗り切ってきたかと言うと、単に部品加工をしてきただけではなく、常に『切削・研削加工』を広く深く技能・技術の向上を図ってきたおかげです。これを、『事業領域』の明確化といい、ドメインとも言います。「高精度小物切削・研削加工を極めるプロフェッショナル集団」で、『極める』にこだわっている意味です。そして、それが常に改善や改革を行うという具体的な行動につながっているのです。
今、ゼロゼロ発表会がさかんに行われていますが、常に改善や改革をしていくという風土作りは、今の良い原因を作ることになり、将来の企業継続・発展という良い結果が生れてくるのです。皆さん一人ひとりが改善の努力をすることにより、技能・技術が向上し、成長が実感できます。そこに喜びが湧き、やりがいや働きがいが生れてきます。一人ひとりが成長すれば、その分会社は永遠に発展するのです。これが『市場創造』の基本です。

今までのこういった何度かの会社変遷の事実から、危機を乗り超える経験をしています。今ではこれからのEV化に対する対応もすでにたくさんの情報を取ってきている状況なので、着実に準備が整ってきています。皆さんも色々苦労するとは思いますが、成長のチャンスとプラス志向で、新たな部品加工に更なる挑戦をして行って欲しいと期待をしています。

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