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2017.10月 会社の危機・発展の歴史

会社は、1949年6月に創業してから2019年5月で70年になります。私も今年で70歳になり、余生を過ごす時間も限られて来ました。そこで記憶をたどりながら書きますので、文章があちこち行きますがご容赦願います。

『加工屋から鍛冶屋の世界を標榜する』

〔社内で何でも自前でできる人材の育成〕

私が社長時代に言っていた言葉ですが、これは創業者である私の父が、「社内で自前でやれ!・ものを大事にしろ!」この2つの内の一つでもありますが、もう一つの理由は、愛知工業高校機械科を卒業しているからです。実は、父は私を跡継ぎにしたいと期待をしていました。普通高校に行くと大学を希望して、結局はどこかに就職をしてしまうのではと、心配をしていたそうです。そこで「高校に行きたければ、工業高校の機械科なら許す」ということでした。期待どおり入学をしましたが、これがとっても良かった。学校では実習で鋳造技術を生かし鉄アレイを製作、旋盤加工では、ヘールバイトを作るため、コークスで火を熾しヤゲン台でたたいて刃物の形にして、グラインダーで刃先を作り、旋盤に取り付けて自分で作った刃物で製品を削り出しました。

このような経験から、『加工屋ではなく』、メーカーに図面を見せて、加工条件や刃具の選定までまかせて取り付けた機械を購入したり、機械商社が勧めてくる刃具を取り付けて、ただ加工するのみでは、お金を払ってそれらのノウハウを相手まかせにしてしまうことで、会社に技能・技術が蓄積できず、他社との競争力がなくなってしまうということです。

『鍛冶屋の世界を標榜する』という意味は、【高精度小物切削・研削を「極める」プロフェッショナル集団】として、技能・技術を高めていくためには、単に製品を加工するだけではなく、機械の構造を知ったり、機械のスライド等が異常に摩耗している状態の把握、原因の追及、保全技術の取得などをしていくノウハウを身につけていくために中古の機械の再生もその一つとしてやっています。また、刃具競技会を行っているのも、刃具のすくい角・逃げ角や二番の取り方等を身につけて技能の成長を自分自身で感じて、働くことの喜びや誇りを持ってもらいたいのです。

実は、加工技術を身につけると言うことは、何倍ものその周辺の技能・技術を取得することが必要なのです。そのため、一人前になるのには最低でも10年はかかります。今の状態で満足せず、常に探求心を持って更なる成長を目指してもらいたいものです。

「加工屋から鍛冶屋の世界を標榜する」ということは、高校時代に感じた鍛冶屋の世界は、いくらでもやることのあるやりがいのある働くことの喜びを感じることができることから浮かんできたものです。

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