中小企業家同友会の会員になって、こんな勉強をしています。人間が生まれた時を「ヒト」と例えます。オギャーとこの世に生まれた「命」は皆平等です。まず親の援助・愛情を受けながら「生きる」ことに専念します。そして教育を受け「学ぶ」ことをしながら成長をしていきます。それから社会に出て「働く」喜びを見つけて人生を豊かに過ごして行き、やがて成熟することで「人間」となり最後を迎えていくのです。
人間としての成長過程を時間の観点から考えればこのようになりますが、社会に出てからは実は「生きる・学ぶ・働く」ことが同時に行われて始めて「人間としての『人生の豊かさ』を感じる」のです。同じ「生きる」のでも、ここが動物や植物との違いなのです。

「5」という数字があるとします。5にするためには、1＋4、2＋3の二つの答えがあります。マイナスを使うならば無限大に答えが出てきます。例えば10－5、100－95など・・・。5にすることを目的にするならば、何らかの条件を付けなければ無限に答え（方法）が出てきます。答えは一つではないと言うことです。

「創意は無限、改良は永遠」　創業者が残した言葉です。知恵は無限にあるということです。先日、改善の成果を披露する「ゼロゼロ発表会」ですばらしい内容のものがありました。皆さん、知っていましたか？　会社のロゴマークは、AVEXのAをデザインしたものですが、旋盤の刃物台に刃物をつけている図柄で、粗引きと仕上げの二つの刃物で製品を完成させるという、昔の『技能』を大事にして今も活かすことと、もう一つは、最新の三角チップで一気に仕上げてしまう最新の『技術』を活用しよう、というイメージで描かれています。今回、その粗引き・仕上げの技能を活かす発想での改善が行われました。

従来は、始めから仕上げ用の一本の細い刃物でそろそろと加工をしていた工程を、粗引きは太い刃物で一気に加工をして、仕上げでは細い刃物で精度よく加工をするという2工程にした結果、加工時間を30秒近く短縮したという改善事例でした。結果として従来設備を12台使用していましたが、8台で済むようになったということです。改善をしたいと考えた人の行動を聞いて見ると、実は勤続年数の長い人にどうしたら良いのだろうかと尋ねたということでした。自分のノウハウにせず、素直に教えてくれたベテランには、頭が下がります。ヒントを出してくれたお陰で大きな成果が現れたのです。また、一人で悩まず技能にたけている人に聴きに言ったその人もすばらしいことだと感動しました。

このように部署を超えて、いつでもどこでも聞き合える風土がエイベックスの強みであり、お客様から信頼されている大きな要素です。この実例は「生きる・学ぶ・働く」ことが同時に行われたことにより、大きな成果につながったもので、ほかの人も大変参考になる事例で、活用下さい。楽しみにしています。