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2020.7月 いまこそベクトルを合わせ、全社一丸で未来へ進もう

コロナ禍のため、今年は経営指針発表会を全社員が集まって行うことができませんでした。皆さんと一堂に顔を合わせることができなかったことは、とっても残念でした。そのような中、今年度の経営指針書は、時代が大きく変革する今の時代に合わせていくために、経営指針書の様式・内容も大きく改正することになりました。

先月も書きましたが今の経済環境を認知するためにもう一度、リーマンショックとコロナ禍との違いを明確にしておきたいと思います。リーマンショックのときは、金融バブルの崩壊で企業収益・貿易量が下がるという「大きな経済の縮小」でした。このときの「経営戦略」は『市場開拓による市場創造』をすることでした。しかし今回のコロナ禍は、世界において接触・移動が制限されることによる経済の停止・停滞による売上減なので、今回の「経営戦略」は市場の環境変化に対応した未来への『差別化による市場創造』だと考えています。

そのため、コロナ禍が収まれば景気がよくなるという「じっと待つ」経営は、ありえません。

それは、世界経済が仮に良くなるとしても、個別の事案として今まで需要があったものが停滞したり、逆に注目されてこなかった分野が浮かび上がってきたり、このコロナ禍においては世の中の欲するものが変わってくるために産業や需要の構造が変化して従来のやり方が通用しなくなり、世の中の変化に対応すべき企業変革を強力に押し進めていくことが最も重要だと考えています。すなわち「コロナ禍はいずれ収束するが、V字回復はない」と危機感を持っています。

そのため、売上が70パーセント操業でも黒字に転換できるよう、「単年度計画の大胆な全面的な見直し」を図っていきましょう。また、次のステップに向けた経営戦略として、そもそも自動車業界は100年の大変革時代でCASE等、電動化・自動運転化、また業界の再編成等、今ある仕事がなくなる環境の真っただ中にいます。今こそ先手必勝が大切で、手を打つのが遅くなればなるほど淘汰されてしまう激変の環境の真っただ中にいます。

今までより競争が激しくなる時代に入っていますが、商売の仕方を転換して新しいビジネスモデルを構築するように、先手を打てば「ビジネスチャンス到来」となるので、世の中に置いていかれないよう変化に柔軟に対応して、企業の存続と発展ができるよう、新しい展開を模索していきましょう。

わが社の事業領域である小物精密切削・研削加工を極めるプロフェッショナル集団として、お客様の技術革新の要求に対応していけるよう、今のうちに教育・訓練をしっかりと行い、更なる技能・技術を高め、新しい製品の獲得に努めていきましょう。

心がけとして、今こそ危機を脱却する経営改善のヒントをどんどん考え、チャンスを自らつかみ取りましょう。チャンスが前から来れば、誰でも受け取ることができますが、残念ながら後ろから静かにスーッと通り過ぎていきますので、目に入ったときは、時すでに遅し。チャンスは遠くに行ってしまいます。常にアンテナを高くしての学びや実践をすることを意識していきましょう。

時代が大きく変革する今の時代に合わせて、経営指針書の様式・内容も大きく改正し、この新しいやり方でのトップ方針のもと、各部署での展開が行われました。その中で、【SSC=シンプル・スリム・コンパクト】の工場を目指しています。それはこのコロナ禍においては、会社全体に付加価値がある状態になっているか、すなわち価値ある働きが出来ているか、またそれに付随する働きか、それとも逆に意味のない働きをしていないか(タイムマネジメントの考え方)を確認して下さい。今までのやり方の方がどうしてもなじんでいるので、新しいやり方をしようとすると抵抗感が出てしまうかも知れません。

実はこれが一番危険なのです。今回の、この改革をした経営指針書を中心に、「変える」、「変わる」ことへの抵抗感のない職場の風土を、今から全員で作り上げて行こうではありませんか。 

教育・訓練も6月までに、かなり進みました。7月からは、緊急に見直した行動計画・目標に向かって、70%創業でも黒字になる体質強化を実践する月になりました。すでに20日です。ここまでの手ごたえはどうですか。

次に大事なことは、経営指針の浸透です。主要な取引をさせて頂いているお客様がNHKホールよりも立派なホールを持っています。そこで年に何回か交響楽団をお呼びした演奏会があります。オーケストラは100人くらいの人数です。そして100人一人ひとりがプロです。それぞれが独立したって十分独り立ちできるような演奏家がオーケストラに入って、それぞれが音を出すのですが、そのとき音を合わせないと、音域が変わったら音がぐちゃぐちゃになって音楽になりません。だから、第1バイオリンの一番えらい人が最初にソの音を出します。その音を聞いてみんなが音の調整をする。いわゆる音域を合わせる。チューニングですね。この一連の動作が経営指針に基づくベクトルを合わせることじゃないかと思います。

それぞれの社員が頑張ったとしても、私はこの思いで頑張って行くぞ、私は、私は……とそれぞれが主張したら、違う音域の音になってしまい、結局はお互いの足を引っ張り合うことになってしまいます。どんなに一人ひとりが優秀だとしても、プラスプラスどころかプラスマイナスになって効果が半減する。この音合わせが、われわれの言葉で言うと「ベクトル合わせ」になります。ベクトル合わせというのが、このチューニングのソの音を合わせることです。その合わせる共通の音はなんだと思いますか? これが「経営指針」なのです。

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